家庭で備える非常食・保存食品は、最低3日分、できれば1週間分が目安です。農林水産省「特集1 非常食(2)」
この日数をもとに、4人家族が1日3回食事をすると仮定して計算すると、3日分で延べ36食、7日分で延べ84食になります。
ただし、36食分を備えることは、食品を36個買うこととは違います。ごはん1パックとおかず1袋で一人の1回の食事を組む場合、その2品で1食分として考えます。
この記事では、家族に必要な食事の回数を出し、食品の組み合わせと調理条件を確認して、買い足すものを決める方法をまとめます。
非常食は最低3日分、できれば1週間分を目安にする
災害で買い物や調理が難しくなる場合に備え、農林水産省は家庭で最低3日分、できれば1週間分の食品を用意する考え方を示しています。この日数を過ぎれば必ず支援が届く、という保証ではありません。農林水産省「特集1 非常食(2)」
まずは、今ある食品で家族の食事を何日分用意できるか確かめましょう。3日分に足りなければその不足を把握し、そろったら7日分まで増やすときに何が必要かを考えます。一度に買い切れない場合も、次の買い物で補う食品と数量を決めておくと、準備を進めやすくなります。
備える期間を決める際は、お住まいの自治体が家庭向けに示している備蓄の案内も確認してください。人数だけでなく、地域や家族の条件も合わせて考えます。
長期保存の非常食だけでそろえる必要はない
普段食べている食品のうち、災害時にも保存・調理の条件を満たして使えるものは、備蓄に取り入れられます。農林水産省も、災害用の非常食と日常の食品を組み合わせて備える方法を紹介しています。農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(2)」
家にある缶詰やレトルト食品を確認してから不足分を選べば、同じ用途の食品を重ねて買うのを避けやすくなります。保存年数だけで選ばず、家族が食べるか、準備した道具で食べられる状態にできるかも確認しましょう。
家族の人数と日数から、必要な食数を計算する
1日3回食事をする場合の人数別早見表
必要な食数を整理する計算は、次のとおりです。
人数 × 1日の食事回数 × 備える日数
| 家族の人数 | 3日分の延べ食数 | 7日分の延べ食数 |
|---|---|---|
| 1人 | 9食 | 21食 |
| 2人 | 18食 | 42食 |
| 3人 | 27食 | 63食 |
| 4人 | 36食 | 84食 |
| 5人 | 45食 | 105食 |
この表は、1人が1日3回食事をするという前提で本ブログが計算したものです。「1食」は一人の1回分の食事を意味し、食品の袋数や、栄養が十分かどうかを表す単位ではありません。
家族4人が3日間、朝・昼・夕に食べるなら、家庭としては9回の食事に、それぞれ4人分を用意します。このように食べる場面へ分けると、どの食事の食品が足りないのか確認できます。
家族全員を同じ1袋で数えない
同じ食品でも、家族によって食べる量や必要な配慮が異なります。普段の食事を参考に、一人分として使う量を確認してください。
ミルクや離乳食、個別の配慮が必要な食品は、全員共通の一人分へ置き換えずに数えます。詳しい確認点は、後半の「家族が食べられる食品を、個人ごとに確保する」で説明します。
食数を、主食とおかずの組み合わせに直す
主食の数だけで「食事がそろった」としない
農林水産省の食品ストックガイドでは、ごはんやパンなどの主食に加え、肉・魚・豆などのおかず、野菜を使った食品などを組み合わせる考え方が示されています。農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(3)」
食品を選ぶときは、次のように食事の中での使い道を分けて見る方法があります。
| 食事での使い道 | 食品の例 | 買う前に確認すること |
|---|---|---|
| 主食を用意する | パックごはん、保存用のパン、乾麺 | 一人が食べる量と、加熱や水が必要か |
| 主なおかずを用意する | 魚・肉・豆の缶詰、レトルトのおかず | 主食と組み合わせたときの量と食べ方 |
| 野菜などを補う | 野菜の缶詰、野菜を使った保存食品、乾物 | 保存条件と、戻す・洗う・加熱する工程 |
| 食事に追加する | 果物の缶詰、好みの菓子など | 誰が食べるかと、主食・おかずの不足がないか |
食品例は上記の農林水産省の資料を参考にし、確認欄は家庭で選ぶための観点として整理しました。表の品目を一つずつ買えば必要な栄養がそろう、という意味ではありません。
同じ「1人前」の表示でも、カレーのソースとごはんでは食事の役割が違います。セット商品を選ぶ場合も、「何食入り」という表示に加えて、主食だけのセットか、おかずも入っているかを中身の一覧で確認してください。
まず1回分を食べて、量と食べ方を確かめる
候補の食品を大量に買う前に、普段の食事で試す方法があります。農林水産省も、非常食を事前に食べ、好みに合うものを備えることを勧めています。農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(6)」
味に加えて、一袋で足りるか、誰かと分ける量か、開け方や食べ方に困らないかを確認してみましょう。ごはんとおかずを一緒に試せば、単品だけを見ていたときより、家族の1回分として考えやすくなります。
試した食品は在庫から減ります。備蓄量を数え直すときは、食べた分を除いてください。
水や熱源が使えない場合にも食事を用意できるか確認する
調理せず食べられる食品も確保する
農林水産省は、災害発生当日の備えとして、調理せず食べられる食品を1日分確保する重要性を示しています。まず1日分を確認し、その後も調理できない場合の食事をどうするか考えましょう。農林水産省「特集1 非常食(2)」
ここでは、備えている食品を「そのまま食べるもの」と「食べる前に準備が必要なもの」に分けて見ると整理できます。缶詰・レトルトといった種類名だけで判断せず、個々の商品の表示を確認してください。
表示を見ながら、次の点を確かめます。
- 開封後そのまま食べられるか、加熱が必要か
- 水やお湯が必要か、必要な量と待ち時間はどれくらいか
- 電子レンジ以外の調理方法が記載されているか
- 缶切り、はさみ、スプーンなどが必要か
アルファ米にも水で戻せる商品がありますが、必要な水量や時間は商品の説明に従います。「火を使わない」と「水も準備も要らない」は分けて確認しましょう。農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(6)」
食品に必要な水と調理道具も一緒に確認する
飲料・調理用の水は1人1日約3Lが目安ですが、湯せんや食品・食器を洗う水は別途必要です。湯せんする食品を選ぶ場合は、食品の個数だけでなく水の備えも確認してください。農林水産省「大事な水、どうやって備えますか?」
家族人数別の水量と本数は、防災用の水はどれくらい必要?人数別の備蓄量と保存水の選び方にまとめています。
熱源を使う予定なら、予定している調理方法に対応する器具があるか、器具と燃料の取扱説明書も合わせて確認します。
家族が食べられる食品を、個人ごとに確保する
乳幼児・食物アレルギー・食べる機能への配慮
家族全体の食品が足りていても、特定の人が食べられる食品が不足していれば、その人の備えは足りません。誰のために用意した食品かも確認しておきましょう。
乳幼児には普段使うミルクや成長段階に合う離乳食、噛む・飲み込むことへの配慮が必要な人には状態に合う食品を準備します。食物アレルギーがある場合は、購入時に原材料表示やメーカーの案内を確認し、不明点はメーカーへ問い合わせてください。農林水産省「要配慮者と単身者の食品ストックガイド」
同資料では、ビン詰めやレトルトの離乳食について2週間分の備蓄も案内しています。一般的な3日分・7日分の表だけで判断を終えず、その人向けの案内を確認してください。
治療で食事内容を指定されている場合は、普段の指示に合う備蓄食品を主治医や管理栄養士に相談しておきましょう。ここでは、病気別の食事量や栄養量を一律には決めません。
家族で共有する分と、個人用の分を区別する
在庫確認では「家族全員が食べられるもの」と「特定の人用のもの」を区別する方法があります。
たとえば、ある家族だけが食べる食品を、ほかの家族にも使う前提で二重に数えないようにします。ミルクや離乳食を含む場合も、家族全体の袋数ではなく、それぞれが使う量と回数で不足を確かめてください。
家にある食品を引いて、買い足す量を決める
保存条件と調理条件を確認してから在庫を数える
買い足す量を決める前に、家にある食品の表示を見ます。賞味期限・消費期限は、未開封で定められた保存方法を守った場合の期限です。消費者庁「食品期限表示の設定のためのガイドライン」
冷蔵・冷凍が必要な食品は、停電で保存条件を守れない場合まで同じように使えるとは数えません。また、常温保存できる食品でも、食べるための水や熱源を用意できるかは別に確認します。
期限、保存方法、誰が食べるか、調理方法を確認したうえで、予定する食事に使う食品を数えましょう。複数の場所へ置いている場合は、保管場所を家族と共有し、同じ食品を二度数えないようにします。
4人家族・3日分の主食を買い足す計算例
次の表は、4人が1日3回食事をし、各回に一人分の主食を用意する場合の計算例です。食品の量がその人に合い、表示どおりの保存・調理ができることを前提にしています。
| 確認する内容 | この例での数量 |
|---|---|
| 用意する主食の一人分の数 | 4人×3回×3日=36人分 |
| 家にある、各1人分として使うごはん | 12パック=12人分 |
| 家にある、各1人分として使うパン | 6袋=6人分 |
| 合計の主食在庫 | 18人分 |
| 買い足す主食 | 36人分−18人分=18人分 |
この条件で、一袋を一人分として使う主食を選ぶなら、追加は18袋です。一袋が何人分になるかが違えば、購入数も変わります。
これは主食だけの不足計算です。おかずや野菜を使った食品は、予定する食事の組み合わせに合わせて別に確認してください。各パック・袋を一人の1回分として使う場合、ごはん12パックとおかず12袋の組み合わせは12食分です。主食とおかずの個数を合計して24食とは数えません。
まず朝・昼・夕の1日分を家族の人数分で考え、その組み合わせを何回使うか数える方法もあります。商品表示と普段の食べる量を確かめながら、主食だけが多く、おかずがない食事が残っていないか確認しましょう。
使った分を補充して、決めた備蓄量を保つ
普段の食品を多めに備え、期限を見ながら消費し、使った分を買い足す方法がローリングストックです。農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(2)」
購入した日だけで順番を決めず、実際の期限を確認して使う順番を考えましょう。家族の人数、食べる量、必要な配慮が変わったときは、維持する食品の内容と量も見直します。
期限が近い食品をいつ使うか、残量から何を買い足すか、家族でどう共有するかは、非常食の賞味期限管理方法|ローリングストックで消費・補充を続けるコツで詳しく確認できます。
まとめ|食事の回数を出し、不足する食品を買い足そう
非常食・保存食品の準備では、まず人数と日数から食事の回数を出します。そのうえで、一人分の量、主食とおかずの組み合わせ、必要な水や道具を確認すると、買い足すものが具体的になります。
まずは次の食事1回分を家族の人数分で考え、家にある食品で何が使えるか確かめてみてください。同じ方法で備える日数分を確認し、不足する食品を買い足していきましょう。
食品以外の備えも合わせて確認する場合は、家庭の防災用品一覧|必要量の目安と準備する順番をご覧ください。

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